素敵な数、素敵な出会い

 1903年、ニューヨークで開催されたアメリカ数学会で、フランク・ネルソン・コールは黒板に以下の1行を記しました。

 「m(67)=193707721×76138257287」

m(n)とはメルセンヌ数のことで、具体的には「2のn乗―1」を表します。また、その中で素数のもののことを特にメルセンヌ素数といいます。そして、当時m(67)はメルセンヌ素数だと思われていました。

 素数だと思われていた数の素因数分解が黒板に書かれた瞬間、教室は静まりかえりました。そして、間をおいて拍手喝采となりました。

 素数といえば、もうひとつ。フリーマン・ダイソンのエピソードを紹介します。フリーマン・ダイソンは「素数の情報に関する数式が、宇宙の構造と関係しているのではないか?」と気付いたことでも有名です。ちなみに、フリーマン・ダイソンといえば、1965年に朝永振一郎がファインマン、シュウィンガーとともにノーベル物理学賞をうけたとき「4人目(ノーベル賞は3人まで!)」であったため選から漏れたことでもしられています。

 さて、そのひらめきのきっかけですが、ヒュー・モンゴメリという数学者との出会いにあったといいます。プリンストン高等研究所でであった二人は、研究分野は違うがお互いの研究について語る親しい仲になりました。

 その会話のなかで、とんでもないことに気付きます。

なんと、フリーマン・ダイソンが研究していた「宇宙物理の数式」とモンゴメリが研究していた「素数の情報の数式」がまったく一緒だったのです。

 勿論、なぜ一緒なのか?それはどういう意味なのか?の段階になるとプロの物理学者としての仕事になってきますが、そのきっかけは何気ない雑談だったのです。

 もし、フリーマン・ダイソンがモンゴメリと出会っていなければ?もし、フリーマン・ダイソンが自分の専門にしか興味がなかったら…。

 東進小松駅前校には自分が苦手なことが得意な仲間もいます、なんでもできる副担任の先生もいます。仲間と切磋琢磨し、副担任に頼り、自らを高めていきましょう。