東進の東大リスニングがニュースになりました!
東大模試で「雑音入りリスニング」...当初不評も合格後好評に 話題の東進取り組み、発端は受験生の「涙ぐましい努力」
ツイッターユーザー・みかりな(@mikarinachan)さんの投稿より
東進衛星予備校が主催の模試で行われる「雑音入りリスニング」が、ツイッターで「この対策は思いもよらなかった」「これは凄いかもw」などと話題になっている。本番会場を想定して反響音などを加えた特別仕様の音声になっているという。
発端となったのは、ツイッターユーザー・みかりなさんによる2023年6月4日の投稿だ。「雑音入りリスニング実施決定」と題された東進の宣伝資料を驚きとともに披露した。 資料によると、8月27日開催「第2回8月東大本番レベル模試」の英語問題で雑音入りリスニングが放送される。初導入は21年夏だという。 「本番会場を想定し、スピーカーを通した音のこもり・大教室特有の反響音・周辺から聞こえる環境音などを加えた、特別仕様の音声です」 書面では東大現役合格者の声として、「個人的には雑音入りのインド英語が非常に聞きにくく、これで訓練したおかげで本番のリスニングが楽に感じました」といったコメントも紹介されている。 投稿は2万1000件超の「いいね」を集め、ツイッターでは、「この対策は思いもよらなかった」「これは凄いかもw本当に会場は雑音だらけだから、聞こえたとしても集中力が散る」と実用性を称する声が寄せられている。 投稿者・みかりなさんは6月5日、自身はリスニングを未実施だと前置き、「やっぱりリスニングの試験に雑音があるせいで聞き取れないのは致命的だと思うので、東進さんの雑音入りのリスニングで慣れておくのはいいことだと思います」とJ-CASTニュースの取材に所感を述べた。
着想元は受験生の「涙ぐましい努力」
取り組みについて運営会社・ナガセのコンテンツ本部長は、意外な対策で受験に臨む「プロ受験生」ともいえる学生たちの体験談に着想を得た旨を取材に話した。 同社は毎年、合格発表後の東大受験生、とりわけ合格者に対して、準備や本番に関する「ディープインタビュー」を何十人と行っている。その際に開成や灘といった私立難関高校の生徒が、本番の音が聞きづらいという噂を受けてこんな対策をしたと明かしたという。 「例えばある人は、断線したイヤホンをわざわざ使ってリスニングをやってみましたと話していました。断線しているから音が汚い感じで聞こえる。あえてそういう負荷をかけた環境でやっているといいます。ある人は、音がこもるのを再現するために、家のスピーカーに布団をぐるぐる巻きにして聞こえづらくして、そこから10メートルくらい離れて聞いて、練習したそうです」 本部長によると、「東大に受かる人でもリスニングに自信がある人はそんなにいない」。公表されていないものの英語120点満点のうち30点ほどの高配点と目されているうえ、本番への不安は大きく、緊張した状態で、想定外があるとパニックにもなりうる。 「雑音が入っているということは我々もチラチラ知っていた」とはいえ、ここまでの対策に励む受験生の「涙ぐましい努力」に衝撃を受けた。東進側で効率化すれば多くの人が練習できると考え、雑音入りリスニングの導入に乗り出した。